友人が「これ、すごくいいよ」と教えてくれたシャンプー。同じものを使ってみたら、自分の髪はぺたんこになってしまった——そういう経験、ありませんか。悪いのは商品でも、あなたの使い方でもありません。髪の太さが違うだけです。今日は、細い髪と太い髪でケアがどう変わるのか、お話しします。
同じオイルが、人によって正反対に働きます
僕がカウンセリングでいちばん最初にすることは、髪を指でつまんで太さを確かめることです。長さやくせよりも先に、そこを見ます。髪の太さがわかると、その方に合うケアの見当がだいぶつくんです。
細い髪と太い髪では、必要なものがほとんど逆になります。細い髪に合うものを太い髪の方が使うと物足りなくて、太い髪に合うものを細い髪の方が使うと重すぎる。同じ商品を使って感想が真っ二つに割れるのは、当たり前のことなんです。
自分の髪が細いか太いかは、抜けた1本でわかります
いちばん簡単なのは、洗面所や枕に落ちた髪を1本拾って、明るいところにかざしてみることです。
細い髪は、光にかざすと輪郭がぼんやりして、指でつまんでも「持った感じ」があまりしません。太い髪は、はっきり見えて、指で引っぱると軽く反発してきます。縫い糸を1本ずつ触り比べたときの、あの差に近いです。
ここで多い勘違いが、量と太さを混同してしまうことです。「毛量が多いから太い髪だと思っていました」という方、けっこういらっしゃいます。でも、細い髪がたくさん生えている方も普通にいます。この場合、量の多さで広がるのに、髪そのものは重さに弱いので、いちばんケア選びが難しいタイプです。
もうひとつ。今の自分の髪の太さは、昔と同じとは限りません。年齢とともに1本が細くなっていくのは自然なことで、20代のときに合っていたものが今は重く感じる、ということも起こります。
細い髪は、重さに負けます
細い髪の方にお伝えしているのは、とにかく「軽く、少なく」です。
細い髪は、油分を抱えきれる量が少ないんです。薄いハンカチに水を含ませるようなもので、少しならしっとりしますが、それ以上になると重みで垂れてしまいます。だから、たっぷりのオイルは細い髪には荷が重い。ツヤは出ても、根元から立ち上がらなくなって、ぺたんこに見えてしまいます。
使うなら、さらっとしたミルクや、粘度の低い軽めのオイルを、1〜2滴。手のひらでよく伸ばして、毛先から中間だけにつけてください。根元にはつけない。これだけで、夕方までのぺたんこ感がかなり変わる方が多いです。
それから、細い髪のぺたんこは、乾かし方でも起きます。上から下に向かってずっと風を当てると、根元が寝たまま乾いて、そのまま形を覚えてしまいます。最初に根元を指で起こしながら、下や横から風を入れてあげる。ここが効きます。
ボリュームがないと悩んでいた方の原因が、実はオイルの量と乾かす向きだった——というのは、本当によくあります。
太い髪は、遠慮しなくて大丈夫です
逆に太い髪の方は、ケア用品を少し多めに使ってもびくともしません。1本1本に張りがあるので、そのぶん硬さや広がりが出やすくて、水分と油分をしっかり入れてあげたほうが落ち着きます。
細い髪の方に「1〜2滴」とお伝えする同じオイルを、太い髪の方には3〜4滴すすめることもあります。同じ商品でも、量の指示が倍違う。それくらい変わります。
薬剤も、太さで選び方が変わります
これはサロンの中の話ですが、知っておくと役に立つと思います。
縮毛矯正の薬剤は、細い髪にはよく浸透します。野菜を細く切ると火が早く通るのと同じで、細い髪は薬が入るのが早いんです。だから細い髪に強い薬を長く置くと、必要以上に軟らかくなって、ちぎれるような傷み方をすることがあります。
太い髪はその反対で、薬が入りにくい。弱い薬でそっとやると、伸びきらずに数週間でうねりが戻ってきます。
同じ「縮毛矯正」というメニュー名でも、細い髪と太い髪でやっていることはかなり違います。僕が施術前に髪を何度も触っているのは、この見極めをしているからです。ここを間違えると、どんなに上手にアイロンを入れても仕上がりは決まりません。
自分では判断できない、という方へ
ここまで読んで、「細いのか太いのか、まだよくわからない」という方もいると思います。それで大丈夫です。中間の方もたくさんいますし、頭の場所によって違うこともあります。
迷ったら、少ない量から試してください。物足りなければ足せますが、つけすぎたものは戻せません。それに、ケア用品を1本使い切る前に、遠慮なく美容師に聞いてしまうのが早いです。髪を触れば、たいていその場でわかります。
あるお客様の話
春に来店された、髪の細い50代のお客様です。開口一番、こう言われました。「話題のオイルを買ったのに、つけると余計にぺたんこになるんです。私の髪がもうダメなんでしょうか」。
髪を見せていただいたら、傷んでいるわけではありませんでした。ただ、細くてやわらかい髪に、しっかりめのオイルを3プッシュ使っていらした。それはぺたんこになる、と。
お伝えしたのは、量を半分以下にして毛先だけにつけること、そして乾かすときに根元を起こすことだけです。商品は買い替えていません。
次の来店で、笑いながらこう言われました。「同じオイルなのに、別のものみたいです。私、ずっと多すぎたんですね」。ケアがうまくいかないとき、原因が髪の衰えではなくて、量やつけ方だったというのは、こんなふうにしょっちゅうあります。
最後に
髪の太さは、生まれつきのものです。変えられません。でも、太さに合わせてケアを選ぶことはできます。
細ければ軽く少なく、太ければ迷わずたっぷり。友人の絶賛が自分に響かなかった理由は、たぶんそれだけのことなんです。
気になる方は、LINEで写真を送ってみてください。今の髪の状態に合わせた選択肢を、一緒に考えます。
RELATED ARTICLES