HAIR CARE

髪が細い人・太い人でケアは変わります
——自分の髪質の見分け方

2026.07.30  |  Kazunori Kuwabara

友人が「これ、すごくいいよ」と教えてくれたシャンプー。同じものを使ってみたら、自分の髪はぺたんこになってしまった——そういう経験、ありませんか。悪いのは商品でも、あなたの使い方でもありません。髪の太さが違うだけです。今日は、細い髪と太い髪でケアがどう変わるのか、お話しします。

同じオイルが、人によって正反対に働きます

僕がカウンセリングでいちばん最初にすることは、髪を指でつまんで太さを確かめることです。長さやくせよりも先に、そこを見ます。髪の太さがわかると、その方に合うケアの見当がだいぶつくんです。

細い髪と太い髪では、必要なものがほとんど逆になります。細い髪に合うものを太い髪の方が使うと物足りなくて、太い髪に合うものを細い髪の方が使うと重すぎる。同じ商品を使って感想が真っ二つに割れるのは、当たり前のことなんです。

毛先を手に取って髪の質感を確かめている女性

自分の髪が細いか太いかは、抜けた1本でわかります

いちばん簡単なのは、洗面所や枕に落ちた髪を1本拾って、明るいところにかざしてみることです。

細い髪は、光にかざすと輪郭がぼんやりして、指でつまんでも「持った感じ」があまりしません。太い髪は、はっきり見えて、指で引っぱると軽く反発してきます。縫い糸を1本ずつ触り比べたときの、あの差に近いです。

ここで多い勘違いが、量と太さを混同してしまうことです。「毛量が多いから太い髪だと思っていました」という方、けっこういらっしゃいます。でも、細い髪がたくさん生えている方も普通にいます。この場合、量の多さで広がるのに、髪そのものは重さに弱いので、いちばんケア選びが難しいタイプです。

もうひとつ。今の自分の髪の太さは、昔と同じとは限りません。年齢とともに1本が細くなっていくのは自然なことで、20代のときに合っていたものが今は重く感じる、ということも起こります。

細い髪は、重さに負けます

細い髪の方にお伝えしているのは、とにかく「軽く、少なく」です。

細い髪は、油分を抱えきれる量が少ないんです。薄いハンカチに水を含ませるようなもので、少しならしっとりしますが、それ以上になると重みで垂れてしまいます。だから、たっぷりのオイルは細い髪には荷が重い。ツヤは出ても、根元から立ち上がらなくなって、ぺたんこに見えてしまいます。

使うなら、さらっとしたミルクや、粘度の低い軽めのオイルを、1〜2滴。手のひらでよく伸ばして、毛先から中間だけにつけてください。根元にはつけない。これだけで、夕方までのぺたんこ感がかなり変わる方が多いです。

それから、細い髪のぺたんこは、乾かし方でも起きます。上から下に向かってずっと風を当てると、根元が寝たまま乾いて、そのまま形を覚えてしまいます。最初に根元を指で起こしながら、下や横から風を入れてあげる。ここが効きます。

ボリュームがないと悩んでいた方の原因が、実はオイルの量と乾かす向きだった——というのは、本当によくあります。

ツヤのあるストレートヘアの毛束のクローズアップ

太い髪は、遠慮しなくて大丈夫です

逆に太い髪の方は、ケア用品を少し多めに使ってもびくともしません。1本1本に張りがあるので、そのぶん硬さや広がりが出やすくて、水分と油分をしっかり入れてあげたほうが落ち着きます。

細い髪の方に「1〜2滴」とお伝えする同じオイルを、太い髪の方には3〜4滴すすめることもあります。同じ商品でも、量の指示が倍違う。それくらい変わります。

薬剤も、太さで選び方が変わります

これはサロンの中の話ですが、知っておくと役に立つと思います。

縮毛矯正の薬剤は、細い髪にはよく浸透します。野菜を細く切ると火が早く通るのと同じで、細い髪は薬が入るのが早いんです。だから細い髪に強い薬を長く置くと、必要以上に軟らかくなって、ちぎれるような傷み方をすることがあります。

太い髪はその反対で、薬が入りにくい。弱い薬でそっとやると、伸びきらずに数週間でうねりが戻ってきます。

同じ「縮毛矯正」というメニュー名でも、細い髪と太い髪でやっていることはかなり違います。僕が施術前に髪を何度も触っているのは、この見極めをしているからです。ここを間違えると、どんなに上手にアイロンを入れても仕上がりは決まりません。

自分では判断できない、という方へ

ここまで読んで、「細いのか太いのか、まだよくわからない」という方もいると思います。それで大丈夫です。中間の方もたくさんいますし、頭の場所によって違うこともあります。

迷ったら、少ない量から試してください。物足りなければ足せますが、つけすぎたものは戻せません。それに、ケア用品を1本使い切る前に、遠慮なく美容師に聞いてしまうのが早いです。髪を触れば、たいていその場でわかります。

あるお客様の話

春に来店された、髪の細い50代のお客様です。開口一番、こう言われました。「話題のオイルを買ったのに、つけると余計にぺたんこになるんです。私の髪がもうダメなんでしょうか」。

髪を見せていただいたら、傷んでいるわけではありませんでした。ただ、細くてやわらかい髪に、しっかりめのオイルを3プッシュ使っていらした。それはぺたんこになる、と。

お伝えしたのは、量を半分以下にして毛先だけにつけること、そして乾かすときに根元を起こすことだけです。商品は買い替えていません。

次の来店で、笑いながらこう言われました。「同じオイルなのに、別のものみたいです。私、ずっと多すぎたんですね」。ケアがうまくいかないとき、原因が髪の衰えではなくて、量やつけ方だったというのは、こんなふうにしょっちゅうあります。

サロンの棚に並んだシャンプーとトリートメントのボトル

最後に

髪の太さは、生まれつきのものです。変えられません。でも、太さに合わせてケアを選ぶことはできます。

細ければ軽く少なく、太ければ迷わずたっぷり。友人の絶賛が自分に響かなかった理由は、たぶんそれだけのことなんです。

気になる方は、LINEで写真を送ってみてください。今の髪の状態に合わせた選択肢を、一緒に考えます。

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桑原 和誠
桑原 和誠|Hair & Spa Fermata オーナー

美容師歴22年。縮毛矯正・髪質改善を専門に、船橋市宮本にてプライベートサロンを営む。「目の前のお客様に全力を」をモットーに、完全マンツーマンで施術を行っている。

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