SEASONAL CARE

夏のまとめ髪、結び跡が気になる方へ
——縮毛矯正した髪の結び方

2026.07.28  |  Kazunori Kuwabara

朝、家を出て駅に着くころには、首すじに髪が張りついている。信号待ちで、思わず手ぐしでまとめてしまう——夏になると、そんな場面が増えますよね。ただ、縮毛矯正をかけている方からは「結んだら跡がつきそうで怖い」という声をよく聞きます。今日は、矯正した髪を夏に結ぶことについて、お話しします。

結んで大丈夫です。矯正がとれることは、まずありません

先に答えを言うと、僕は「暑い日は遠慮なく結んでください」とお伝えしています。結んだくらいで縮毛矯正がとれてしまうことは、まずありません。矯正でまっすぐになった髪は、薬剤で内部の結合ごと形を変えているので、ゴムで縛った程度では元に戻らないんです。

ただ、あの折れ線のような結び跡は、つくことがあります。これは矯正がとれたわけではなくて、髪の表面が一時的に形を覚えてしまった状態です。この違いを知っておくだけで、夏がだいぶ気楽になると思います。

夏の朝、ストレートヘアをゆるくひとつに結ぼうとしている女性

跡がつくのは、髪が「乾く瞬間の形」を覚えるから

髪の中には、水に濡れるとほどけて、乾くときにまたつながる結合があります。水素結合と呼ばれるものです。難しそうに聞こえますが、身近な例があります。洗濯物です。

シャツを丸めたまま乾かすと、シワがくっきり残りますよね。ハンガーにかけて乾かせば、まっすぐのまま乾く。髪もこれと同じで、「乾く瞬間の形」をそのまま覚えます。寝ぐせとまったく同じ仕組みです。

夏に結び跡がつきやすいのは、汗のせいです。汗や湿気で髪が少し湿って、ゴムで曲げられたまま体温で乾く。すると、その折れた形を髪が記憶してしまう。結んだこと自体より、「湿った状態で結ばれていた」ことが跡の原因になっていることが多いんです。

外で汗をかいて、冷房の部屋で乾いて、また外に出て。夏はこれを一日に何度も繰り返します。跡がつきやすい季節なのは、髪のせいでも矯正のせいでもなくて、この繰り返しのせいです。

跡がついても、濡らして乾かせば戻ります

仕組みがわかれば、直し方も見えてきます。濡らして、まっすぐの状態で乾かし直す。これだけです。

霧吹きか濡れた手で、跡がついた部分をしっかり湿らせて、ドライヤーの風を上から当てながら、手ぐしで軽く引っぱって乾かします。5分もかかりません。シワになったシャツを、ハンガーにかけ直すイメージです。

毛先だけちょんと濡らしても戻りにくいので、折れているところの少し上から湿らせてください。ここだけ、ちょっとしたコツです。

シュシュでゆるくまとめたツヤのあるストレートヘア

ゴム選びと結び方で、跡はだいぶ減らせます

まず、汗をかいたままや、お風呂上がりの生乾きのまま結ぶのは避けてください。さっきの洗濯物の話のとおり、湿った髪は形を覚えやすい状態です。乾いてから結ぶ。これがいちばん効きます。

ゴムは、細いシリコンゴムでキュッと縛ると、力が一点に集中して折れ線がつきやすくなります。僕のおすすめはシュシュです。布がクッションになって、髪に当たる力がふんわり分散されるので、跡が残りにくいと感じる方が多いです。太めの布ゴムや、挟むだけのバナナクリップも同じ理由で優秀ですよ。細いゴムしかない日は、ひと巻きゆるくするだけでも違います。

それから、毎日同じ高さで結んでいると、同じ場所にばかり跡が重なっていきます。今日は低め、明日は少し高め。位置を少しずらすだけで、髪への負担は分散されます。家に帰ったら、まず髪をほどく。それも立派なケアです。

仕事や子育てで、結ばないと無理な方へ

そうは言っても、飲食や医療のお仕事で結ぶのが決まりの方、小さいお子さんがいて髪をおろしていられない方もいますよね。それならそれで、大丈夫です。

毎日結んでも、湿ったまま結ぶのを避けて、ゆるめにまとめて、帰ったらほどく。それだけで髪の負担はずいぶん変わります。跡がついた日は、濡らして乾かし直せばいい。戻せると知っているだけで、気持ちは軽くなると思います。

あるお客様の話

去年の夏、矯正をかけて2ヶ月目のお客様に言われたことがあります。「せっかくまっすぐにしたのに、仕事中ずっと結んでるんです。なんだかもったいなくて」。看護のお仕事で、勤務中はまとめ髪が決まりの方でした。

その気持ち、すごくわかります。でも僕は「結んでいいんですよ」とお伝えしました。勤務中はシュシュでゆるめに、帰ったらすぐほどいて、跡が気になる日は霧吹きとドライヤーで2〜3分。それだけです。

次の来店のとき、その方が笑いながら言ってくれました。「仕事終わりにほどくと、すとんと元に戻るんです。あれ、ちょっと快感ですね」。結べて、ほどけば戻る。矯正のいいところは、実はそういう気楽さなのかもしれません。

サロンで美容師がお客様に夏の結び方について説明している様子

最後に

夏は、我慢せずに結んでください。乾いた髪を、ゆるく、帰ったらほどく。跡がついたら濡らして乾かす。覚えることは、これくらいです。

首すじが軽くなると、夏の外出はけっこう変わります。矯正した髪は、おろしても結んでも、ちゃんと味方でいてくれますから。

気になる方は、LINEで写真を送ってみてください。今の髪の状態に合わせた選択肢を、一緒に考えます。

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桑原 和誠
桑原 和誠|Hair & Spa Fermata オーナー

美容師歴22年。縮毛矯正・髪質改善を専門に、船橋市宮本にてプライベートサロンを営む。「目の前のお客様に全力を」をモットーに、完全マンツーマンで施術を行っている。

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