鏡の前で、白髪を1本見つける。つい指でつまんで、抜いてしまう。その気持ち、すごくわかります。僕も自分の白髪を見つけると、一瞬手が伸びそうになります。それでも、お客様には「抜かないでくださいね」とお願いしています。
抜いても、白髪は増えません。減りもしません
「1本抜くと、そこから増える」という話を聞いたことがあるかもしれません。
抜いたことで、まわりの髪まで白くなるわけではありません。なので、増えることはないです。
ただ、同じところからまた生えてくる毛は、たいてい白いままです。抜いて黒く戻るわけではないんです。
つまり、抜いても何も解決しない。ここがちょっとせつないところです。
抜くたびに、毛の根っこに負担がかかります
髪は、頭皮の中にある根っこから育っています。
無理に引き抜くと、その根っこごと引っぱることになります。同じ場所で何度もくり返していると、そこから生えてくる髪が細くなったり、生えてきにくくなったりする場合があります。
白髪でも、髪は髪です。1本ずつ、ボリュームを支えてくれています。年齢とともに「分け目がさみしくなった」と感じる方は多いので、僕は1本でも大事にしてほしいと思っています。
抜いた白髪は、短く立って目立ちます
もうひとつ困るのが、抜いたあとです。
抜いた白髪は、しばらくすると同じ場所から生えてきます。このとき、短い毛がピンと立ち上がって、分け目や生え際でかえって目立つんです。
長い白髪は、まわりの黒い髪にまぎれます。短い白髪は、まぎれない。
抜いたほうが目立つ。ちょっと皮肉な話です。
気になる1本は、根元ではさみで切ってください
どうしても気になる1本は、抜かずに切ってください。
眉用の小さなはさみで、なるべく根元に近いところから。根っこはそのまま残るので、頭皮の負担になりません。
数が増えて切りきれなくなってきたら、分け目を少しずらすだけでも、かなり目立たなくなります。ずっと同じ分け目だと、そこだけ地肌と白髪が見えやすいからです。
それでも目立つようになってきたら、カラーで白髪をなじませる方法もあります。真っ黒に染めるより、少し明るめにして白髪をぼかすほうが、伸びてきたときの境目も気になりにくいです。
もう抜いてしまった方も、気にしすぎなくて大丈夫です
ここまで読んで、「けっこう抜いちゃってた」と思われた方もいるかもしれません。
何本か抜いたくらいで、すぐにどうにかなるわけではありません。今日からやめれば、それで十分です。
ただ、急に抜け毛が増えた、一か所だけ地肌が目立つ、かゆみや赤みがある。そういうときは、僕は美容師なので診断はできません。皮膚科で相談されることをおすすめします。
あるお客様の話
40代のお客様で、分け目のあたりに短い毛がたくさん立っている方がいました。
聞いてみると、気になるたびに抜いていたそうです。「抜いてるのに、増えてる気がして」。
抜くのをやめてもらって、分け目を少しずらして、白髪がなじむ明るめのカラーに変えました。
何回目かのご来店で、「最近、鏡を見るのが前ほど嫌じゃなくなりました笑」。抜くのをやめただけで、気持ちまで少し軽くなったみたいです。
最後に
白髪は、抜かずに切る。増えてきたら、分け目かカラーで目立たなくする。それで十分です。
白髪の出方や染め方で迷っている方は、ぜひ一度ご来店いただき、ご相談ください。今の髪に合う方法を、一緒に考えます。
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