HAIR CARE

白髪、抜いていませんか?
——抜くより、根元で切ってほしい理由

2026.10.15  |  Kazunori Kuwabara

鏡の前で、白髪を1本見つける。つい指でつまんで、抜いてしまう。その気持ち、すごくわかります。僕も自分の白髪を見つけると、一瞬手が伸びそうになります。それでも、お客様には「抜かないでくださいね」とお願いしています。

抜いても、白髪は増えません。減りもしません

「1本抜くと、そこから増える」という話を聞いたことがあるかもしれません。

抜いたことで、まわりの髪まで白くなるわけではありません。なので、増えることはないです。

ただ、同じところからまた生えてくる毛は、たいてい白いままです。抜いて黒く戻るわけではないんです。

つまり、抜いても何も解決しない。ここがちょっとせつないところです。

抜くたびに、毛の根っこに負担がかかります

髪は、頭皮の中にある根っこから育っています。

無理に引き抜くと、その根っこごと引っぱることになります。同じ場所で何度もくり返していると、そこから生えてくる髪が細くなったり、生えてきにくくなったりする場合があります。

白髪でも、髪は髪です。1本ずつ、ボリュームを支えてくれています。年齢とともに「分け目がさみしくなった」と感じる方は多いので、僕は1本でも大事にしてほしいと思っています。

ボブスタイルのストレートヘアの後ろ姿

抜いた白髪は、短く立って目立ちます

もうひとつ困るのが、抜いたあとです。

抜いた白髪は、しばらくすると同じ場所から生えてきます。このとき、短い毛がピンと立ち上がって、分け目や生え際でかえって目立つんです。

長い白髪は、まわりの黒い髪にまぎれます。短い白髪は、まぎれない。

抜いたほうが目立つ。ちょっと皮肉な話です。

気になる1本は、根元ではさみで切ってください

どうしても気になる1本は、抜かずに切ってください。

眉用の小さなはさみで、なるべく根元に近いところから。根っこはそのまま残るので、頭皮の負担になりません。

数が増えて切りきれなくなってきたら、分け目を少しずらすだけでも、かなり目立たなくなります。ずっと同じ分け目だと、そこだけ地肌と白髪が見えやすいからです。

それでも目立つようになってきたら、カラーで白髪をなじませる方法もあります。真っ黒に染めるより、少し明るめにして白髪をぼかすほうが、伸びてきたときの境目も気になりにくいです。

ツヤのある毛先を手で持ち上げた様子

もう抜いてしまった方も、気にしすぎなくて大丈夫です

ここまで読んで、「けっこう抜いちゃってた」と思われた方もいるかもしれません。

何本か抜いたくらいで、すぐにどうにかなるわけではありません。今日からやめれば、それで十分です。

ただ、急に抜け毛が増えた、一か所だけ地肌が目立つ、かゆみや赤みがある。そういうときは、僕は美容師なので診断はできません。皮膚科で相談されることをおすすめします。

あるお客様の話

40代のお客様で、分け目のあたりに短い毛がたくさん立っている方がいました。

聞いてみると、気になるたびに抜いていたそうです。「抜いてるのに、増えてる気がして」。

抜くのをやめてもらって、分け目を少しずらして、白髪がなじむ明るめのカラーに変えました。

何回目かのご来店で、「最近、鏡を見るのが前ほど嫌じゃなくなりました笑」。抜くのをやめただけで、気持ちまで少し軽くなったみたいです。

サロンで仕上げたミディアムのストレートヘア

最後に

白髪は、抜かずに切る。増えてきたら、分け目かカラーで目立たなくする。それで十分です。

白髪の出方や染め方で迷っている方は、ぜひ一度ご来店いただき、ご相談ください。今の髪に合う方法を、一緒に考えます。

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桑原 和誠
桑原 和誠|Hair & Spa Fermata オーナー

美容師歴22年。縮毛矯正・髪質改善を専門に、船橋市宮本にてプライベートサロンを営む。「目の前のお客様に全力を」をモットーに、完全マンツーマンで施術を行っている。

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