伸ばすと決めた日から、髪はいちばん扱いにくい時期に入ります。肩でハネて、横に広がって、毛先だけパサついて。この時期が続くと、たいていの方が途中でくじけそうになります。
肩に当たる長さが、いちばんハネます
伸ばしかけでつらいのは、だいたい肩に届くかどうかの長さです。
毛先が肩に当たって、行き場をなくして外にはねる。朝それを直しても、昼にはまた戻っています。くせがある方だと、右だけ、左だけ、という妙なハネ方をすることもあります。
ここを「くせが強くなった」と思われる方が多いのですが、長さのせいであることがほとんどです。あと2〜3cm伸びると、自分の重さでストンと落ちて、急に扱いやすくなります。
広がるのは、伸ばし始めに量が増えるからです
もうひとつが、量です。
短くしていた頃に切っていた分の髪が、伸ばすと全部残ります。毛量が増えて、横に膨らむ。とくに顔まわりの短い毛が伸びてくる時期は、シルエットが三角になりやすいです。
原因は、くせより量のことがあります。
毛先1cmだけ、切らせてください
伸ばしている方に僕がいちばんおすすめしているのは、途中で毛先を少しだけ整えることです。
切ったら伸びないじゃないか、と感じますよね。その気持ちはすごくわかります。それでも、毛先1cmを落として量を少し調整するだけで、ハネ方も広がり方も落ち着きます。
古い毛先を残したまま伸ばすと、そこだけ色が抜けてパサついて見えます。いちばん目に入るところが傷んで見えるので、全体まで傷んでいる印象になってしまうんです。
3ヶ月に一度くらい、毛先だけ整える。結果として、そのほうがきれいに伸びていく方が多いです。
秋は、伸ばし始めるのに向いています
9月に入ってから、「そろそろ伸ばそうかな」という話をよく伺います。
夏は汗で首につくのが嫌で短くしていた方が、涼しくなって気が変わる。毎年この時期に多いです。
伸ばすと決めたら、ゴールをどこに置くかだけ先に決めておくと楽になります。肩につく長さで止めたいのか、鎖骨まで行きたいのか。そこが決まっていると、途中で切る量も迷わずに済みます。
縮毛矯正をしている方は、根元だけで足ります
矯正をかけながら伸ばしている方から、「伸ばすなら毎回全部かけたほうがいいですか」と聞かれることがあります。
僕は、根元だけのリタッチをおすすめしています。一度まっすぐになった毛先は、そのままの状態が続いていることが多いからです。
毎回毛先まで薬をつけると、そのぶん負担が重なります。伸ばしている最中は、毛先をできるだけ触らずに残しておきたい時期です。
境目が気になるときだけ、毛先にトリートメントを重ねて質感をそろえます。
どうしても切りたくない方へ
結婚式まで伸ばしたい、去年からやっと伸びてきた——切りたくない事情がある方もいらっしゃいます。それなら、切らずに乗り切る方法で大丈夫です。
夜にしっかり乾かして、毛先にオイルを米粒1粒分。朝ハネていたら、その部分だけ水で濡らして、根元から乾かし直す。たぶん3分かかりません。
それも無理な朝は、ハーフアップで結んでしまってください。伸ばしかけの数ヶ月を全部きれいに過ごすのは、正直むずかしいです。乗り切れれば勝ちくらいに思っていてください。
あるお客様の話
ショートからボブを通り越して伸ばしている途中のお客様が、「もう挫折しそうです」といらっしゃったことがあります。
見せていただくと、くせはそこまで強くありませんでした。肩で跳ねた毛先と、増えた量。その2つでした。
毛先を少し整えて、内側の量を落として、根元のくせだけ矯正しました。仕上がりを見て「切ってないのに短く見えないですね」と驚かれていました。
次に来られたとき、「あのあと一回も結ばずに済みました笑」とおっしゃっていて、僕もほっとしました。伸ばしかけは、我慢する時期じゃなくて、整えながら通り過ぎる時期かなと思います。
最後に
伸ばしている途中のまとまらなさは、くせのせいだけではありません。長さと量が、まだそろっていないだけのことが多いです。
今どのくらいの長さで、どこまで伸ばしたいのか。それによって、切る量も矯正の入れ方も変わります。迷ったら、今の髪を写真に撮ってLINEから送ってください。切らずに乗り切るのか、少し整えるのか、一緒に決めましょう。
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