「これを食べれば髪がきれいになる」という魔法の食べ物は、ありません。でも、髪が食べたものからできているのも本当です。今日は、美容師の立場から見た食事と髪の話を、盛らずにそのままお話しします。
髪は、栄養の「後回し」にされる場所です
まず知っておいてほしいことがあります。体に入った栄養は、心臓や内臓みたいな、命に関わるところから先に使われます。髪は一番後回し。なくても生きていけるからです。
ちょっと切ない話ですよね。でも、だからこそ食事の乱れは髪に出やすいと言われています。体からのお釣りで育っている場所なので、お釣りが減れば、真っ先に痩せていく。逆に言うと、髪の元気は「体に余裕がある」証拠でもあります。
髪の材料は、ほぼタンパク質
髪の大部分は、ケラチンというタンパク質でできています。つまり材料は、お肉・お魚・卵・大豆。このあたりです。
どんなに良いシャンプーやトリートメントを使っても、材料が足りなければ、丈夫な髪は生えてきません。家を建てるのに、道具だけ揃えて木材がない状態です。外からのケアと中からの材料、両方あって髪は育ちます。
脇役も少しだけ紹介すると、亜鉛や鉄分は髪の成長を支える栄養として知られています。特に女性は鉄分が不足しがちなので、お肉や貝、緑の濃い野菜を意識してもらえるといいですよ。
極端なダイエットは、数ヶ月後に髪に出ます
サロンでこれは本当によく見てきました。「最近、髪が細くなった気がする」「抜け毛が増えた」という方に話を聞くと、少し前に食事を抜くダイエットをしていた。このパターン、22年でかなりの回数出会っています。
髪への影響は、すぐには出ません。今日生えてくる髪は、少し前の栄養でできているからです。数ヶ月遅れてやってくる。だからダイエットと髪の変化が、本人の中でつながっていないことが多いんです。
体重を気にする気持ちは、すごくわかります。ただ、食事を「減らす」より「選ぶ」方向にしてもらえると、髪は守れます。タンパク質は残して、というのが美容師からのお願いです。
完璧な食事なんて、無理ですよね
とはいえ、です。毎日バランスの良い献立なんて、忙しい中では現実的じゃないですよね。僕も夜はコーヒーとパンで済ませてしまう日があります。
だから、全部やろうとしなくて大丈夫です。おすすめはひとつだけ。いつもの食事に、タンパク質を一品足す。コンビニなら、ゆで卵やサラダチキンや豆腐。それだけでも、髪の材料はだいぶ変わってきます。
あるお客様の話
数年前、「髪がやせて、分け目が目立つようになった」と相談してくれたお客様がいました。聞けば、半年で体重をかなり落としたそうです。ほとんど食事制限だけで。
僕は栄養士ではないので、できたのは「タンパク質だけは戻しましょう」という話と、頭皮に負担をかけないケアの提案くらいです。それでも半年ほど経った頃、根元を触りながら「なんか、しっかりしてきた気がします」とおっしゃっていました。生え変わった髪が、ちゃんと材料をもらって育ってきた。そういうことだと思います。
髪は数ヶ月遅れの手紙みたいなものです。今日の食事が、秋の髪になって返ってきます。
最後に
魔法の食べ物はない。でも、タンパク質を一品足すことなら今日からできる。食事の話は、結局これに尽きます。
髪の変化が気になっている方は、外からのケアと合わせて、ここ数ヶ月の食生活もちょっとだけ振り返ってみてください。原因がそこにあることも、わりとあります。
「最近髪がやせてきた気がする」という方は、LINEで気軽に相談してください。髪と頭皮の状態を見ながら、できることを一緒に考えます。
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