COUNSELING

前の美容室の話、遠慮なくしてください
——初めてのカウンセリングで伝えてほしいこと

2026.10.08  |  Kazunori Kuwabara

初めてのサロンの椅子に座って、「前はどちらで?」と聞かれる。なんとなく言葉をにごしてしまう方、けっこう多いです。前の美容室に悪い気がする。うまくいかなかった話をすると、文句みたいに聞こえる。そのお気持ち、すごくわかります。

前のサロンの話は、悪口にはなりません

僕が前の美容室のことを聞くのは、比べたいからではありません。

髪は、過去にしたことを全部覚えています。いつ、どんな薬を使ったか。それが今の髪の中に残っていて、次の縮毛矯正のかかり方を左右します。

だから前のサロンの話は、悪口じゃなくて、髪の記録なんです。

いちばん聞きたいのは、この1年のことです

全部を思い出さなくても大丈夫です。

知りたいのは、だいたいこの1年。縮毛矯正をいつかけたか。カラーはしたか。ブリーチや黒染めは入っていないか。

黒染めやブリーチは、ご本人が忘れていることも多いです。「そういえば、去年の春に一回だけ」と、あとから出てくることもあります。思い出したら、途中でも言ってください。

カウンセリング後に仕上げたダークトーンのストレートヘア

家で染めたことも、教えてください

意外と言いにくいのが、市販のカラーです。

「時間がなくて、自分で染めちゃって」と、少し申しわけなさそうに話される方がいます。全然いいんです。

市販のカラーは、髪への残り方が美容室のものと少しちがいます。それを知らずに矯正の薬をつけると、思ったより強くかかることがある。言ってもらえるだけで、僕は薬の強さを変えられます。

うまくいかなかった話が、いちばん役に立ちます

「前にかけたら、毛先がチリチリになって」

こういう話は、言うのに勇気がいると思います。でも僕にとっては、いちばんありがたい情報です。

どこが、どんなふうになったか。それがわかると、同じことが起きないように最初から組み立てられます。

失敗の話は、次の仕上がりの材料になります。

もちろん、前の美容室が悪かったとは限りません。髪の状態やその日の湿気で、仕上がりが変わることもあります。誰かを責める話じゃないので、気楽に話してくださいね。

毛先までなめらかにまとまった髪

思い出せなくても、髪を見ればわかることもあります

「何をしたか、もう覚えてなくて」という方もいらっしゃいます。それで大丈夫です。

髪をさわって、根元と毛先の手ざわりを比べると、だいたいの履歴は見えてきます。わからないところは、一部に薬を試してから決めることもあります。

完ぺきに伝えようとしなくていい。覚えている範囲で十分です。

あるお客様の話

初めて来られたお客様で、最初はほとんど何も話されなかった方がいました。

髪をさわりながら話しているうちに、「実は前のお店で、もう縮毛矯正はやめたほうがいいって言われて」と、ぽつり。

その方の毛先は、たしかに傷んでいました。なので根元だけ矯正をかけて、毛先はカットとトリートメントで整えることにしました。

帰り際に「最初に言えばよかったです笑」。言ってもらえて、助かったのは僕のほうでした。

サロンの椅子で仕上がりを確認するお客様の後ろ姿

最後に

前の美容室の話は、遠慮なくしてください。それが、今日の髪をきれいにする近道です。

話すのが苦手な方は、この1年でしたことをメモして、LINEで先に送ってくださっても大丈夫です。当日は、そのメモを見ながら一緒に確認します。

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桑原 和誠
桑原 和誠|Hair & Spa Fermata オーナー

美容師歴22年。縮毛矯正・髪質改善を専門に、船橋市宮本にてプライベートサロンを営む。「目の前のお客様に全力を」をモットーに、完全マンツーマンで施術を行っている。

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